中国初の流域法律「長江保護法」の解読

2021年3月1日、中国初の流域法律「長江保護法」が施行された。この法律の第五十一条第二項は「長江流域に劇毒化学品の輸送及び国の規定により、内河を通じて輸送されるその他の危険化学品の輸送を禁止する」と規定している。

「劇毒化学品」＆「国の規定により、内河を通じて輸送されるその他の危険化学品」は一体どれらの化学品をカバーしているか？

いわゆる「劇毒化学品」は、実際の監督管理の中に二つの部分が含まれている：

1）「危険化学品目録」（2015年版）備考欄に「劇毒」と表示されている化学品は、合計148種類。

2）「危険化学品目録」（2015年版）には含まれていないが、この目録本文の第二条に記載されている強烈急性毒性判定限界に該当する化学品：

強烈急性毒性の判定限界：急性毒性の種類1、すなわち以下の条件のいずれを満たす。

ラット実験では、経口LD 50≦5 mg/kg、経皮LD 50≦50 mg/kg、（4 h）LC 50≦100 ml/m 3（気体）または0.5 mg/L（蒸気）または0.05 mg/L（塵、霧）を吸い込む。経皮LD 50の実験データは、ウサギの実験データを使用することもできる。

国の規定により、内河を通じて輸送されるその他の危険化学品、この概念は実際の監督管理においても同様に2つの部分を含む：

1）「内河禁輸危険化学品目録」（2019年版）に明記された化学品は計313品目を禁輸し、そのうち、全面禁輸228品目で、バルク輸送85品目を禁止とする。

2）禁輸貨物の成分を含む混合物は下記の状況の一つを満す場合、全面禁輸貨物によって制御される：

· 不安定爆発物に属する。

· 塩素酸アンモニウム（CAS：10192-29-7）、濃度＞72%の高塩素酸（CAS：7601-90-3）、亜硝酸メチル（CAS：624-91-9）、亜硝酸亜鉛アンモニウム（CAS：63885-01-8）、容易に自己発熱する可燃性物質を0.2%以下含み、分解を誘発する硝酸アンモニウム（CAS：64-52-52）成分。

· GHS危険性の分類における「水生環境への危害－急性危害」はカテゴリ1であり、またはGHS危険性の分類における「水生環境への危害－長期危害」はカテゴリ1である。

「長江保護法」第90条の規定に基づき、長江流域に劇毒化学品と国家の規定により内河を通じて他の禁止危険化学品を輸送する場合、県級以上の人民政府交通運輸主管部門または海事管理機構が是正を命じ、違法所得を没収し、二十万元以上二百万元以下の罰金を科する。直接責任を負う主管者とその他の直接責任者に対して5万元以上10万元以下の罰金を科する。事情が深刻な場合、営業停止整頓を命じる、或は関連許可証の抹消を命じる。

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